皆さんは物事を考える時「線」で考えますか?それとも「面」で考えますか?
自分の思考パターンを理解すると、自分自身を客観視することができます。そして今自分に足りない考えは何かに気づくことができます。
袖川氏の『線と面の思考術』から、学んだこと考えたことをシェアしていきます。一言で言えば、線と面の思考術とは「自分の頭で考えるための思考法」です。
「線の思考」は、時間と共に順番に現れてくるものを認識する能力です。(Via:21)
私たちが本を読む時、目で追って読みます。無意識に文字列を「線の思考」で認識しています。同様に音楽も1つ1つのメロディが時間軸とともに順番に現れてくるものです。
豚汁を例に「線の思考」で考えてみましょう。「線の思考」では具材を考えます。豚肉、人参、大根、糸こんにゃく、お揚げさん。全体ではなく、1つ1つに分解してミクロに考えます。
「線の思考」は論理と順序です。
「面の思考」は時間を必要とせず、一瞬にして把握する能力です。(Via:21)
「面の思考」は直感力です。
相手の意見を聞いた時、正しいとか間違っているとの判断、犬を見て犬だと見分ける認識力など、1つ1つではなく、全体として大きく見る思考です。
先ほどの豚汁の例だと、具材を考えるのが「線の思考」であるのに対し、全体を見て「これは豚汁だ」と認識する思考が「面の思考」です。
全体から考えます。何かを感じ取ります。
線の思考 | 面の思考 |
論理 客観的 みんなで共有しているもの 時間の流れ 順を追って展開するので時間が必要 一貫性で完結したがる 理解 文学、音楽 |
直感 主観的 自分だけの極めて特殊なもの 構造の広がり 一瞬に見渡せるので時間は必要ない 調和として完結したがる 納得、腑に落ちる 絵画、空間 |
(23頁より引用)
「線の思考」と「面の思考」をなんとなくイメージできましたか?次は実際に線と面の思考を使って考えてみましょう。
頭の中に住んでいる「作家である自分」と「画家である自分」とに対話をさせて、ひとつの絵本を作るような作業です。
ここで作家とは「線の思考」で考え、画家とは「面の思考」で考える人とします。(Via:73)
私たちの頭の中には常に2人のアーティストが存在します。しかし困ったことにこの2人、非常に仲が悪いみたいです。
原因は、「線の思考」は論理の一貫性を保とうとする一方で、「面の思考」が全体的な調和を重視するためです。
細部か全体かどちらを優先的に考えるかの違いです。「どちらかが悪い」と言うことはありません。
ですが、今自分がどっちの思考で物事を考えているのだろうと意識することが必要です。
今自分は「線の思考」で考えているな。「面の思考」で考えて見たらどうなるんだろうというように1つの出来事に対して多角的な見方ができるようになります。
この見方ができるようになれば、アイデアも自然と増えてきます。
当たり前のことなのですが、何事もバランスが大切です。
自分自身で「線の思考」と「面の思考」が意識的に使えるようになれば、世の中のあらゆる物事に敏感になり、日々アイデアで溢れかえります。
ただし1点、注意しなければならないことがあります。
私たちは無意識という感覚を持っています。そして、人の思考には癖があります。「線の思考」が得意な人、いつも「面の思考」でばかり物事を考える人。
考えている自分をメタ認知してみましょう。そして「少し線の思考に偏っているな」と感じれば面で考えてみましょう。
必要なのは適度なバランスです。
「線の思考」と「面の思考」をいう二種類の言葉に興味を惹かれ、手に取ったのですが
ウン!非常に深い!
必要なことは自分で自分をわかるということかな、と自分なりに理解しました。自分の体を動かすのと同様に自分の考え方(思考方法)の自分でコントロールできる。
「意識して日々を過ごすことで、自分の思考でさえも操ることができるのだ」と考えました。すげえよ、この思考術。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
いつも誰かのお陰様☆
ではまた
<参考引用文献>袖川芳之(2008)『線と面の思考術-ワンパターン発想を打破する頭のトレーニング-』大和書房 182頁