衝撃的な本に出会いました。
どうも。masa☆くるぷぴぃ(@masataro_2525)です。
絶賛1型糖尿病(IDDM)患者である私は、日々糖尿病に関する情報を集めています。
その中で見つけたのが宮川高市氏の『1型糖尿病をご存知ですか?−「1型は1つの個性」といえる社会をめざして−』です。
2018の3月20日に発売されました。
この本には、1型糖尿病の基礎知識から1型糖尿病患者の「心」の部分まで、当事者の体験記などを織り交ぜながら書かれています。
私は読みながら、「そうそう。1型糖尿病のここをわかってほしいんだよなぁ」「あー!1型あるある!」と納得させられました。
1型糖尿病の医学的な理解ではなく、私がいつも読者の方に訴えている「心」の部分に焦点を当てた本になっています。
そのため1型糖尿病の認知度を広げるために役立つと思い紹介させていただきます。
当事者の方やご家族の方、そして1型糖尿病ではない方にも1度は読んでいただきたい1冊です。
何よりもまず内容がわかりやすい。
1章では1型糖尿病の基礎知識が紹介されています。医学的な視点から1型糖尿病について、ざっくりとイメージできる内容です。
医療者はあくまでアドバイザー、トレーニングコーチのような役割です。
患者さんご自身が「主治医」、それが1型糖尿病です。
医療者が治療について、「ああしましょう」「こうしましょう」ということは絶対に避けるべきだと思います。
本人の生活に合わせて、治療をおこなうのは本人ですから。(Via:42頁)
本当にその通りだと思います。
自分の体のことは自分が1番わかっている。24時間365日共にしているのだから。
1型糖尿病患者同士でも、血糖値のコントロール方法は様々です。
1型糖尿病患者はみんな「自己流」の血糖コントロールを持っていて、日々研究しています。だからみんな「自己流」。正解なんてありません。
みんな違っていて、それでいいと思います。
「主治医」は自分自身。患者の気持ちに寄り添った、素敵な言葉だと思います。
具体的な当事者の体験が書かれているため、当事者の「心」の部分が理解できるようになっています。
繰り返すようですが、「1型糖尿病を理解する」ということは「心」を理解することです。「インスリンさえ打てばいい病気」では、到底理解しているとは言い難いです。
たとえば、1型糖尿病の当事者ブログ『男子高校生の1型糖尿病日記』(現在は男子大学生の1型糖尿病日記に変更されています。)「インスリンとの歩き方」などが紹介されています。
やはり当事者の方の言葉には、リアリティを感じました。
1型糖尿病を宣告された時の心の葛藤、治療を始めてからの不安、そして1型糖尿病を受容していくという課程が、苦しんだ思いとともに細かく書かれています。
1型糖尿病患者の方は、「あー!わかる」と、そして非1型糖尿病の方には、この病を理解するの本質をてわかっていただけると思います。
当事者の言葉こそ、本物です。
他にも、病院での保険点数について説明されています。
私は今年で1型糖尿病を発症して3年目。
先輩方に比べるとまだまだひよっ子なのですが、とは言っても3年間毎日インスリン注射を打ち続けています。
もういい年のオッサンですが、毎日注射して頑張って生きてるんだから、ちょっとは褒めて!と思う時もしばしば。
あ、すみません。話を戻します。
さて通院日は1ヶ月に1度なので、計算すると12ヶ月×3年で少なくとも30回以上は、病院へ通っていることになります。
しかし、それほどまで病院に通っているのに、この本を読むまでは、自分の診察や保険点数についてあまり詳しく知りませんでした。
そして、一生でかかる医療費についても書かれています。
生涯治療費は年間40万として、28〜85歳まで、60年間、2600万円にものぼります。(Via:104頁)
私は今までこの莫大にかかる医療費のことを、「バカにならないよなぁ」とぼんやり考えていただけで、具体的に数字を見てみるとゾッとしました。
そんな医療機関、薬局でかかる費用について、私たちが抱える経済的な悩みが書かれています。
1型糖尿病は「治らない」病気から、「治る」病気へとなる日はくるでしょうか。
私たちは、そんな未来を期待していいのでしょうか。
1型糖尿病は現在の医学では、完治が不可能な病気です。(移植によってて治ることもあります。しかし、ドナーが少ないので移植用の細胞ができない現状です)
第4章では、インスリンについて、発見前から現在に至るまでのインスリンの歴史が書かれています。
そして1型糖尿病患者の未来への希望。
「人工膵臓(クローズドループ)の実現可能性や、IPS細胞について。
IPS細胞研究の第一人者である山中伸弥先生のインタビュー記事が約5ページにわたって書かれています。
山中先生のお父さんが2型糖尿病になり、インスリン依存(インスリン注射が必要)だったため、糖尿病は思い入れが強い病気だそうです。
現在、政府の最先端研究開発プログラムで採択されたプロジェクトでは、1型糖尿病の研究もされています。
その詳細についても、新しく知ることばかりで、自分の勉強不足を痛感。
当事者でさえまだまだ1型糖尿病を理解していないなと反省させられました。
と同時に、病気と今まで以上に向き合っていこうという気持ちになりました。
病気から逃げたい気持ちもわかります。
しかし、時間が過ぎれば自然に治るという病気でないことは事実です。
勇気を出して、自分から1型糖尿病へと寄り添っていきましょう。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
この本には1型糖尿病についての基礎知識から保険点数、そして1型糖尿病の未来にまで多岐にわたって書かれています。
しかし、私が1番伝えたいことは
1型糖尿病患者の「心」を理解していただけるとありがたい
ということです。
この本は、その当事者の「心」を理解するのに、ぴったりな1冊なのです。
本当に1人でも多くの方に読んでいただきたいです。
「1型糖尿病を理解すること」の本質が書かれた一冊。
あなたにも1型糖尿病患者の心を、本質から理解してくれる1人になって欲しい。
いつの日か、「1型糖尿病」という難病を、誰しもが知っている病気になることを祈るばかりです。
あ、祈ってても何も起こりませんね。
つべこべ言ってる暇があるなら
「動け!」
私は私の今できることを。
このブログを通じて、まだ広く認知されていない「1型糖尿病」を発信していきます。
いつも誰かのお陰様☆
【参考・引用文献】
・宮川高市(2018)『1型糖尿病をご存知ですか?−「1型は1つの個性」いえる社会をめざして』ミネルヴァ書房 222頁
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